老人性難聴の仕組み|高松市仏生山のわたなべ耳鼻咽喉科

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老人性難聴の仕組み

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老人性難聴とは

難聴には「伝音性難聴」と「感音性難聴」、そしてその二つが合わさった「混合性難聴」という3つの種類があります。この3種類の難聴の特徴は以下のようなものです。
  • 1伝音性難聴
    音の伝わる過程に何らかの障害が発生している状態。外耳や中耳に何らかの原因がある。
  • 2感音性難聴
    音を感じ取る機能に何らかの障害が発生している状態。内耳に何らかの原因がある。
  • 3混合性難聴
    伝音性難聴と感音性難聴が複合している状態。

老人性難聴はこれらのうち、「感音性難聴」に該当します。耳の老化によって本来の音が脳に正しく伝わらず、「音」としては聞こえているが、「言葉」としての聞き取りが難しくなっている状態です。

老人難聴とは
症状

聴力の低下は高音域から発生し、中音域(一般的な会話の音域)、低音域へと広がっていきます。
左右どちらかの聴力が低下するのではなく、両耳ともに聴力が低下していくという特徴があります。
結果的に、ご自身では難聴だと気づきにくく、耳鳴りだけを感じているという場合が少なくありません。
自覚症状を感じた段階では重症化していることもありますので定期的な検査(年1回程度)で聴力検査を行い現状把握されることをお勧めします。

老人難聴とは
治療方法

老化による生理的変化ですので、治療という考え方よりは「聞こえを改善する」という方が正しいです。
主に補聴器を装用し、低下した機能の回復訓練(リハビリ)を行うことになります。

また、ご家族の方や知人の方は次のことに注意してください。

  • 補聴器を装用していらっしゃる方の耳元で大声で話すことは控えましょう。
    音だけが大きく響いてしまい、言葉の意味が分からなくなってしまいます。
  • 顔を見ながらはっきりとした言葉でゆっくりと話しましょう。
    コミュニケーションとは言葉だけではなく、口の動き・表情・身振り手振りも含みます。

老人性難聴は生理的な変化ですので、誰にでも起こりえます。
周りの皆さんで支えあって、老人性難聴と向き合い、お互いにとってストレスのないコミュニケーションが取れるように心がけましょう。

老人性難聴の仕組みのまとめ

感音性難聴である老人性難聴(加齢性難聴)は老化に伴う進行的な聴力障害ですので、実は40代で補聴器が必要になる例も珍しくありません。
近年においては認知症の発症リスクを高める大きな要因に中年期以降の聴力低下(老人性難聴)が含まれるとのデータも報告されており、早期予防が認知症予防の最重要項目の一つであると考えられています。
長寿化が進み「健康寿命」を考えなければならないからこそ、改めてご自身の聞こえについて考える時間を作っていただければ幸いです。

聞こえチェック

下記ボタンから聞こえの簡易チェックが可能です。
(診断用の聴力検査ではありません)
聞こえは年齢により変化します、ご自身が気づかない内に聴力が低下していることもありますので、定期的な検査をおすすめしています。