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真珠腫性中耳炎|高松市の耳鼻科|わたなべ耳鼻咽喉科

真珠腫性中耳炎

  • 真珠腫性中耳炎

真珠腫性中耳炎(しんじゅしゅせいちゅうじえん)とは?

真珠腫性中耳炎とは、鼓膜の一部が中耳(ちゅうじ)の中に入ってきて、上皮が鼓膜の奥の中耳にたまってくる病気です。
たまった上皮は真珠みたいな色の塊を作るので真珠腫(しんじゅしゅ)といいます。これは良性のものですが、周囲の骨を破壊して多彩な症状を引き起こすとてもやっかいな病気です。

真珠腫性中耳炎の写真

原因は?

先天性(せんてんせい=生まれつき)のものと、後天性(こうてんせい=生まれた後に発生する)のものがあります。
後天性の場合は中耳の換気が上手くいっていない事が主な原因です。中耳は耳管(じかん)という管で鼻の奥にある上咽頭とつながっています。
耳管は、通常閉じていますが時々開いて中耳に空気を送り込み換気します。
山の上に登ったら耳がつまって唾を飲みこむと良くなった経験がありますでしょうか。唾を飲みこんだり、耳抜きをしたりすると耳管が開き、換気が行われ耳のつまりが解消されます。耳管が十分に機能しないと中耳は陰圧になり鼓膜が中に引き込まれます。それが真珠腫の主な原因です。
また、アレルギー性鼻炎・慢性副鼻腔炎など鼻に炎症があったり、お子様の場合アデノイドが大きいと耳管が機能せず中耳は上手く換気されません。鼻すすりの癖があっても中耳は陰圧になります。このような理由で鼓膜が中耳の方向に引き込まれ内側へ陥没すると真珠腫が発生します。

症状は?

  • ①難聴:音を伝える役割をもつ中耳の小さな耳小骨(ツチ骨・キヌタ骨・アブミ骨)が破壊されて生じます。
  • ②耳だれ・出血:腫瘍から出血したり、腫瘍により周りの骨が溶かされ、そこに細菌の感染がおこり耳だれがでます。
  • ③めまい:さらに骨の破壊が進み、耳の奥の方にある三半規管(さんはんきかん)に影響するとめまいをきたします
  • ④顔面神経麻痺・味覚障害:中耳の中の顔面神経に影響して、顔が動きづらくなったり、味を感じづらくなったりします。
  • ⑤髄膜炎(ずいまくえん):中耳の上にあるとの間の骨が溶ける事により、脳のまわりの炎症をおこします。

検査は?

顕微鏡や内視鏡で耳を観察します。真珠腫や周りの骨破壊、耳だれを観察します。その後CTで耳小骨など中耳周囲にある骨破壊の程度や真珠腫の広がりを確認します。

治療は?

基本的には手術で鼓膜の奥にある真珠腫を完全に取り除く事が必要になります。
基本的には全身麻酔での手術になります。状態にもよりますが、手術により真珠腫が完全に除去され聴力が改善する事もあります。真珠腫が疑われたら、手術可能な病院に紹介させて頂きます。