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急性中耳炎|高松市の耳鼻科|わたなべ耳鼻咽喉科

急性中耳炎

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耳管(じかん)とは?

急性中耳炎について知るためには、耳と鼻をつなぐ管(耳管【じかん】)について知る事が必要です。
耳の構造は、外から・外耳道・中耳・内耳に分かれます。中耳に耳管があります。
耳管は、通常閉じていますが時々開いて中耳に空気を送り込みます。山の上に登ったら耳がつまって唾を飲みこむと良くなった経験がありますでしょうか。
唾を飲みこんだり、耳抜きをしたりすると耳管が開き、耳のつまりが解消されます。

中耳炎の写真
滲出性中耳炎の写真

急性中耳炎とは?

中耳炎の写真

風邪をひいたときには、鼻・のどにウイルスやばい菌がたまります。
そのウイルス・ばい菌が耳管を経由して中耳に入りこんでしまう事により急性中耳炎が発症します。
風邪をひいて鼻がグズグズしていたお子様が急に耳が痛くなり、耳鼻科を受診すると急性中耳炎を発症していた、というケースが非常に多いです。
肺炎球菌、インフルエンザ菌、モラキセラカタラーリスというのが急性中耳炎の原因となる代表的なばい菌です。
ただし、近年は抗生剤が効きづらい耐性菌(たいせいきん)が増えてきておりその場合なかなか治りづらくなります。
ちなみに急性中耳炎はお子様の内、生後6ヶ月までに約半数、1歳までに約8割、2歳までに約9割かかると言われています。

症状は?

耳が痛む、耳鳴りがする、聞こえが悪くなる、耳がつまる、耳だれが出る、などがあります。また、お子様の場合高熱が出る事があります。

当院での診療の流れ

①受診・診察

耳の診察、鼻の診察、鼻の処置をした後、必要に応じて検査を行います。耳だれがでている場合には耳の洗浄を行う事があります。中耳炎の程度を判断し、抗生剤・鼻やのどの治療薬・痛み止めなどを処方します。軽症の場合は抗生剤なしで治療する事もあります。

②内服、家での処置

抗生剤、鼻の薬、痛み止めなどを処方します。抗生剤は必ず決められた日数・回数飲む事が必要です。また、鼻汁を出す事が重要です(鼻かみができない場合は吸引をお願いしています)。また、耳だれが出ている場合には、頻回に受診していただく事もあります。

③再診

3~4日後、治療の効果を判定します。中耳炎が改善傾向であれば、抗生剤は適切な時期で終了します。中耳炎が改善していなかったり悪化している場合は抗生剤の量をふやしたり種類を変更します。鼓膜の状態や痛みの具合などにより鼓膜切開を検討する事もあります(別項目“鼓膜切開”もご参照ください)。

④定期受診

急性中耳炎による膿が中耳から無くなっても一時的に液体がたまり、完全に元の状態に戻るまでに平均約1か月かかります。完全に治るまで定期的に受診していただきます。最終的には1-2週間に1回程度の受診となります。

注意点していただきたい事

完全に治るまで約1か月と言いましたが、乳幼児や集団保育のお子様はもっと長引く場合もあります。完全に治らないまま放置すると、鼓膜の奥に液体がたまった状態が続いたり(滲出性中耳炎)、慢性化して鼓膜に穴があく中耳炎(慢性穿孔性中耳炎)になる事があります。そのため、鼻の治療やのどの治療を行いながら完全に中耳炎が改善するまでは定期的に受診が必要です。  また、家ではこまめに鼻水を出すようにしてください(特に小さいお子様やうまく鼻をかめない場合は吸ってあげて下さい)

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お子様が急性中耳炎を繰り返しやすい理由

以下の理由でお子様は中耳炎を繰り返しやすいと言われています。

  • 1、耳管が大人より水平である
  • 2、耳管が大人より相対的に太い
  • 3、大人より子供の方が感冒をひきやすい
  • 5、周りに喫煙される方がいる場合
  • 6、母乳栄養でない場合(母乳の場合、中耳炎にかかる割合は人工栄養の約半分と言われています)
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赤ちゃんや小さいお子様の
急性中耳炎のサイン

小さいお子様の場合、なかなか中耳炎かどうかの判断は難しいため、以下の情報を参考に耳鼻科に受診するか判断してください。

  • 1、耳をやたらに触る
  • 2、耳だれが出る
  • 3、なかなか熱が下がらない
  • 4、機嫌が悪い
  • 5、理由がよくわからないのにグズグズする
  • 6、夜泣きをする